合理的な再建計画と債権放棄
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上記のような計画(顧客に対する値上げと新規客の獲得)を柱に添えて、再建計画を策定し、整理回収機構を利用したメイン銀行の債権放棄も実施して頂き、BS面もPL面の両極の再生を果たすことができました。
現在では、売上は15億を超え、近隣に第2倉庫を建設することもでき、3PLにも取り組んで、収益性の高い企業に生まれ変わっています。
CASE
上記のような計画(顧客に対する値上げと新規客の獲得)を柱に添えて、再建計画を策定し、整理回収機構を利用したメイン銀行の債権放棄も実施して頂き、BS面もPL面の両極の再生を果たすことができました。
現在では、売上は15億を超え、近隣に第2倉庫を建設することもでき、3PLにも取り組んで、収益性の高い企業に生まれ変わっています。
当該EC企業に対しては、値上げの要請を行いましたが、受け入れられなかったため、契約を更新することをせず、売上2位の顧客を失うこととなりましたが、同社が他社倉庫に寄託するに際して、同社の作業に携わっていた当社のベテランのパート社員を引き継ぎたいとの申し出があったので、そのままパート社員の大半を引き継いでもらうことになりました。
結局、赤字部門をすべて承継してもらえたことになって、赤字幅が大きく縮小しましたが、以前営業赤字は残っていました。
これは、売上規模が3億円と小さく、キャパシティコストである固定費を回収できていないことが原因でしたので、リスティング広告を使って、新規の顧客を獲得に注力しました。
当初の契約価格はできるだけ廉価にして、倉庫稼働率を上げることを目標にしたところ、1年で稼働率が120%程度のまでなり、一気に営業赤字は解消され、黒字化を果たすことができました。
財務調査を進めて実態バランスを確定する一方、事業調査を並行して進める中で、営業赤字の原因が判明しました。
売上第2位のEC物販企業の収益性が極めて低く、人件費の配賦まで考慮すれば大きく赤字である可能性が高いことでした。
会社は売上規模が大きいことをもって、「儲かっている」という理解で同社の要望にはすべて応じることにしていましたが、現場作業員の同社の作業にかかる実際時間を勘案すれば、儲
かっているどころか、大きく赤字であること判明しました。
同社の商品は細かい廉価な商品が多く、同社からの出荷指示に従って現場のパート社員がピッキングを行い、箱にパッキングして、チラシや説明書等を同梱するものですが、他の顧客の作業に比して多くのパート社員が作業に取り組んでいたのですが、パート社員の人件費まで考慮すれば、赤字になることが判明しました。
銀行から相談を受けた案件で、借入総額数十億円、5期連続営業赤字という物流倉庫会社がありました。
もともと食品卸売業で、最大顧客の離反もあって売上が低下したことから、自社所有の倉庫を利用して本格的に倉庫業に参入した企業です。
銀行からは、合理的な再建計画が策定できるのであれば、債権放棄等を含めて支援を行う用意があるということでした。
ただ、営業赤字が5期も継続している中で、これ以上の支援は継続できないとのことで、赤字解消を高い確度で期待できる再建計画を提出してほしいとのことでした。
本事案は、外部の第3者へのM&Aによる事業承継の形を取らず、当該事業を最も理解している現場の従業員への譲渡という形で無事に事業承継された事例になりました。
灯台下暗しで、オーナー社長の頭の中にはもともとは従業員への譲渡(EBO=Employee Buyout)という選択肢はなかったのですが、社長の条件を最も満たす買い手候補が従業員であったわけです。
そして、この自動車整備工場の商圏内には大手国内ディーラーの自動車整備工場がシェアを多く占めていたのですが、この自動車整備工場のシェアを伸ばせる可能性が高かったので、EBO後にバリューアップ・コンサルティングを受託し、売上を大きく伸ばすことができました。
同時並行で進めていた従業員との面談の中で、弊社がこの従業員ならば、社長の想いを継承して自動車整備事業をうまく率いてくれるのではないかという方が1名だけおられました。
車が好きで好きでたまらなくて、ご実家は建設業を営んでおられたのですが、そちらの会社には入らず、自動車整備業の道を選んだという方でした。
この方は、本当に車好きで、特にクラシックカーが大好きで、彼を頼りにしてクラシックカーの整備を遠方から依頼される顧客もいらっしゃるほどでした。
そしてこの方は、この自動車整備業を引き継げるならば、こんな嬉しいことはないということで、事業の買取資金の一部をご実家から借り入れ、不足分は金融機関から事業承継資金を借り入れることで、社長の株式を買い取ることができました。
そこで、弊社では、豊富な買い手候補先リストの中から、この社長の希望に沿うような候補先を複数ピックアップし、トップ面談の準備を進めながら、社長の了解を得たうえで、従業員との面談も進めました。
そして、複数の買い手候補とのトップ面談を進めましたが、どうもこの社長との事業に対する考え方に相違があるようで、結局、弊社が準備した複数の買い手候補先への譲渡の話はなくなりました。
B自動車整備工場を運営する会社の70歳を過ぎた病気がちの社長には、子供がおらず、後継者問題が顕在していました。
オーナー社長は、自分が大切に育ててきた事業をそのまま引き継いでくれる会社を探したくても自分では探せないので、弊社に連絡してこられたことから、弊社との共同作業での事業承継プロジェクトがスタートしました。
社長は、できれば車が好きで好きだたまらない経営者が率いている会社に引き継いでもらって、従業員が今と変わらず楽しく働き続けることができる買い手の企業であれば、そこまで譲渡価格には拘らないという意思を表明してくださいました。
和風カレーというキラーコンテンツができたことで、店舗外売上を作れたこと、そして相乗効果で店舗への来店客数が増えたことで、営業段階での利益をも一定額を計上できるようになりました。
当初ご相談頂いた時に比して、営業段階の利益も3倍程度になりましたので、売却可能価格も社長の希望額近くにまで達することになりました。
そして、当社のネットワークの中から、最終的に、食品系の流通企業が興味をもってくれて、めでたく当該企業へのM&Aでの売却となりました。
当社の社長の希望額にはやや足りませんでしたが、それでも社長には非常に喜んで頂けることになりました。
もともと、お店のオペレーションは社長なしで回るようになっていたので、高齢の社長が売却後も会社に残ることもなく、そのまま引退することができました。
少し時間はかかりましたが、M&A前にバリューアップを実現できた良い事例にすることができました。
それまで、店舗外売上は、年末に販売するおせちのみで、しかも本格的に取り組んでいなかったので、大きな売上にはなっていませんでした。
全社売上の大半は店舗内でのお食事の売上でした。
そこで、このお店の賄い料理であった和風カレーがとても美味しかったので、当時ブームになりつつあったカレーを「料亭が作る和風カレー」のコンセプトで食品メーカーに製造してもらって、店舗内のみならず、食品問屋を通じて全国で販売した結果、カレーブームもあって大きな売上を作ることができました。
外部に製造委託し、問屋経由での販売が大半なので単位当たり利益はそれほど大きなものではありませんが、この商品を起点に店舗への来店客も増えるなどの効果もありました。
加えて当時は全く手つかずだった自社のECサイトを整備し、コンテンツの整備も行って、リスティング広告とオーガニック検索のどちらからも新しく設置したECサイトへ流入できるようにもし、ECサイト用商品開発も積極的に行って、EC売上も作っていきました。
もともと、有名な俳優さんが贔屓にされていた店で、その方のご紹介等によっても、当該商品をお買い求めになるセレブにも非常に好評であったこと、毎年ブランドの水平展開で新商品を出し続けたこともあって、EC売上が店舗売上を超えるまでに成長させることができました。
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